彼女の絵は、細部を極める。それはきっと、彼女が、世界の細部まで思いを馳せられるからだと思う。無造作に捨てられたままの小さな花を道端から拾って、それはそれはうれしそうにカプカプに持ち帰る彼女。誰も立ち止まらないところで立ち止まり、小さな青虫くんが地を這い進む姿に悦びをみつける彼女。そんな彼女が描く絵に惹きつけられて、あらためて、わたしは世界の細部の素晴らしさに魅せられたりする。(スズキ・マ)